「あなたうつ病ですよ」
病院でそう言われて、療養し、それでも仕事への復帰の目処が立たず退職。
体調は悪く、次の仕事は見つからず、預金は日々減っていく中、気持ちがどん底に落ちる日々。
正直、これは人生終わったなって思いました。
そこから何とかもがきまくって、なんとか結婚、今は専業主婦ができるくらいに回復できました。
そんなこんなで、実際に自分がうつ病になって、これって大事だなぁと感じた3つの大切な回復のキーポイントを紹介します。
1つ目 何も考えない
は?って思われそうですが、これが案外難しいし、思い返してみても大切だったなと思います。
だって「うつ病」ですよ?
つまり鬱なんです。
気持ちが沈んで楽しいはずのことが楽しめない。
なにやっても楽しくないから気分転換もできない。
常に悲観的でネガティブ思考が頭の中をぐるぐるしている状態です。
こんな状態の時に仕事のこと、学校のこと、家族のこと、将来のこと、前向きに考えられますか?
私は無理でした。
うつ病のきっかけになった仕事を辞めることは後悔しませんでしたが、次の職場に前と同じようなパワハラ上司がいたらどうしよう?またサービス残業ばっかりだったら?休日も当たり前のように出勤しないとダメだったら?
いや、そもそもこんなうつ病なんかになる自分なんか雇ってくれる会社なんか見つからない。体調も悪いしキビキビ働けない。通院だってしなくちゃいけない。バイトも見つからないかもしれない。ああ、お金も減っていく。どうしよう……。
もうね、なに考えてもダメ(笑)
行きつく先は「死ぬしかない」でした。
だからひとまず、「死ぬしかない」に行きつく前に、ぐるぐるネガティブなことを考えることを止めるんです。
そんなこと言われたって、考えちゃうものは考えちゃうんだよ!
そんな方もおられますよね。
大丈夫です。
私もそうでした。
無理矢理ポジティブになろうとしてもなれないし、どうしても将来のことを考えちゃうんですよね。
だって、うつ病になる人は真面目だから。
良いですね。
真面目で、責任感がある人。
素敵ですよね。
だからいいんです。
なにも考えない時間があってもいいんです。
薬を飲んでぼんやりするもよし、布団に戻って寝直してもよし、なにも考えずにぼ~っと日向ぼっこするもよし。
ちょっと気分がよくなった時に、少しだけ考えてみたらいいじゃないですか。
気分が落ち込んでるときに考えたって、いい考えなんか浮かばないんですから。
2つ目 何もしない
またまた、は?って思われそうですが、これも案外難しいことです。
うつ病になる人って真面目なんですよ。
だから「何もしない自分」の状態が我慢できない人が多い。
医者から療養をって言われてるのに家事をしようとする。
仕事に耐えられないから休んでるのに求人情報を調べる。
ちょっと療養してちょっと回復してきたところで、いきなり復職したりする。
私もやりました。
バイト探そうとしたり、部屋の模様替えをしようとしたり。
それでなくても退職手続きでごたごたして寝込んだり、保険証の手続きで役所に行かないとダメで情緒不安定になったりしてたのに。
冷静に考えるとその状態で仕事は無理だろうとかわかるはずなんですが、とにかく休めないし、休むことに罪悪感がありました。
そして考えだすとネガティブが止まらなくなるんです。
このままじゃ自分がもっとダメになるんじゃないか。家族に迷惑をかけたくない。周りを怒らせたくない。もっともっともっと頑張らなくちゃ……。
うつ病で寝込んでるのに、そんなすぐにアレもコレもできるようになるわけないじゃないですか。
しんどくないときに、ちょっとずつ「今の自分にできること」を積み重ねて行きましょう。
朝に起きれた。
えらい。
布団から出れた。
すごい。
ちゃんと薬のめた。
市民栄誉賞受賞しちゃう。
着替えることができた。
これはもうノーベル賞。
着替えたしちょっと外出てみようかな。
あ な た は 神 か 。
馬鹿馬鹿しいけどこんな感じ(笑)
私は小さなことを積み重ねて行くうちに、気が付いたら散歩ができるようになって、気が付いたらスーパーで買い物ができるようになって、気が付いたら季節に合わせた装いを考えるようになって、気が付いたらあれが欲しいここに行きたいと思えるようになってました。
急いで無理やり何かをやろうとしたって寝込むだけなんです。
出来るときに、出来ることからコツコツとやっていきましょう。
3つ目 信頼できる相手と自分の調子の良いときだけ一緒にいる
よく言われる「信頼できる相手を見つけなさい」。
信頼できる相手に悩みや迷いを打ち明けなさいと、私自身も言われたことがあります。相手に伝えようとすると自分の考えが明確になるし、話すことで心の重りを下ろせるとも聞きます。
が、私の場合はこれにさらに2つポイントだなと思うことがありました。
信頼できる相手は、家族でも同僚でも友達でも恋人でも、なんなら主治医でもかまいません。
自分がこの人なら信頼できると感じるなら、相手は誰でもいいと思います。
ここで1つ目のポイントは、信頼する相手とは、ただ「仲がいい」相手ではなく、「自分を傷つけない」で「話を聞いてくれる」相手のことです。
どんなに仲が良くても、一緒にいて楽しくても、悩みを話すことに向いていない相手がいます。
例えば、自分が聞いた話を他のところでもしゃべってしまう人。
この人ならと思って悩みを打ち明けたら、自分の知らない間に友達全員に噂がまわっていたとか嫌ですよね。
他にも、自分が話し手になろうとする人。
おしゃべりでムードメーカーなのかもしれませんが、話を聞いてくれない人に話をしようとすると余計疲れます。
そして2つ目のポイントは、自分が調子の良いときに相手と会うこと。
うつ病は波のある病気です。
気分がいいときは体調もいいことが多いんですが、気分が落ち込んでるときはダルくて出かけても楽しめないことも多々あります。
しんどいときは出かけることはおろか、起き上がることさえ辛いこともあります。
どんなに信頼する相手であっても、しんどいときに無理して会っても、悩みを話すどころではなくなってしまう可能性もあるし、目に見えて調子が悪そうだと相手にも気を使わせてしまいます。
自分の調子の良いときに、辛かったこと、今の体調、将来の不安など話せることを話してみてください。
上でも書きましたが、人に考えていることを話すだけで、より思考が形をもってクリアになります。
自分では思いつかない点を長所として褒めてもらうこともあれば、それはやめた方がいいとアドバイスをもらえることもありますよ。
さいごに
しっかり療養して、うつ病が回復してきたら、そのときに将来のことを考えてみてください。
自分がやりたいこと。
自分に向いてること。
自分が今でもやりたくないと思うこと。
目指したい暮らし。
欲しいもの。
全てを叶えるのに必要なお金は?
月にいくらぐらい稼ぎたい?
正社員でいく?バイトでいく?
今の自分に出来る限界は?
ネガティブじゃ無くなれば、ちゃんと考えられるようになっているんじゃないでしょうか。
私は今でも他人が怖いです。
欲しいものはあまりありません。
穏やかな日常を過ごすことが理想です。
今の自分なら家事ができます。
出来るならアルバイトで少しずつリハビリしたいです。
でももう無理はしたくありません。
だから私は結婚を選びました。今時専業主婦なんてと言われることもあります。仕事はどうするんだと人生のお説教をされることもあります。もちろん贅沢はなしです。
でも「死にたい」と思うことがかなり少なくなりました。
だからまぁ、これでよかったのかな。