おつかれさまです。
年中鼻炎で嗅覚には自信がないヤマヒナです。
ニュースで「臭害」が取り扱われていて、「臭いがダメで体調不良になる」というコメントを「臭害」という言葉をつけて終わりにしていました。
臭いをかいだらくしゃみ・鼻水・頭痛・全身の倦怠感の症状が出るというコメントがあったんですが、それに対してこれらのコメントを柔軟剤メーカーに届けたいという締めくくり方だったんですよ。
でもそれ化学物質過敏症じゃないですか?
化学物質過敏症は1950年代にアメリカで提唱され始めた病気で、微量の化学物質が体内に取り入れられると過剰に反応し様々な症状が出る病気です。
症状は様々で鼻炎・皮膚炎・気管支炎・ぜんそく・動悸・不整脈・下痢・便秘・悪心・自律神経障害・手足の冷え・疲労感・頭痛・発熱・意識障害・不安感・不眠などがあるとされています。
化学物質過敏症の症状は科学的・疫学的な立証を経たものがまだ少なく病気としての認知が進んでいないのが現状です。
先ほどの、「臭いをかいだらくしゃみ・鼻水・頭痛・全身の倦怠感の症状が出る」というコメント。
なんの種類の香りの臭いをかいで症状がでたのかは書かれていません。
もし特定の香りだけがダメだったら好みの問題なのかもしれませんが、どの種類の香りの柔軟剤をかいでもそうなるなら、一度病院に行ってみたらいいんじゃないでしょうか?
化学物質過敏症は重症化すると農薬を使った野菜や化学繊維の衣類、香料の使われている飲み物など、ありとあらゆるものに反応するようになり日常生活が困難になる場合もあります。
病院に行けば、化学物質過敏症かどうかはわからなくても、何かのアレルギーがあるのがわかるかもしれません。
病気じゃなくてもお互いの思いやりは大切
病院に行って病気・アレルギーがわかれば、臭いの原因の人にはっきり言ってやればいいと思います。
病気(アレルギー)で化学物質ダメなんで柔軟剤の香料で体調が悪くなるんですって。
言ってなおらないなら人間関係を見直すきっかけにしましょう。
それで配慮しない相手だったら、そういう相手と人間関係を無理に続けてもしんどいだけじゃないでしょうか?
病気じゃない、アレルギーじゃない、ただたんに好き嫌いの問題でも気分が悪くなっちゃうんだって場合も、同じじゃないでしょうか?
だって相手は「いい匂い」だと思って好きでしてるんですから、こっちだって「いやな臭い」ってはっきり言ってやればいいんですよ。
どうにもならないけど距離を置けない相手なら、自分の体臭に強いコンプレックスがあるんだなって寛大な心で接して、その方がいないところで深呼吸してください。
無香料製品はちゃんと発売されてるよ
無香料の製品を作ってもらえばという意見もあるかと思いますが、世の中には無香料製品もちゃんと売られています。
私はそもそもウール洗う以外に柔軟剤使わないので、あんまり柔軟剤を使う機会がないのですが、「臭害」を柔軟剤メーカーに申し上げなくても無香料の柔軟剤は発売されてますよ。
「香りからの解放」ってうたい文句です。
制汗剤の無香料も昔からありますね。
ちなみに洗剤バージョンも無香料ありました。
だから「臭害」をメーカーさんに言うってちょっと違うような気がするんです。
体調不良の原因物質がわかればメーカーさんに言って製品から原因物質を排除してもらわないといけないと思います。
でも体調不良を引き起こす原因物質がわかってない段階で柔軟剤メーカーさんに言っても「そういう意見もあるんですね」で終わるだけじゃないでしょうか。
「その臭いは嫌いなんです」という話なら、結局「どの香りの製品を使うか」っていう個人の嗜好の問題です。
だから、日常生活で支障を感じる症状が出るんだったら、きちんと専門の病院に行って症例を増やして研究が進むように働きかけた方が、個人的には根本的な解決が速いんじゃないかなと思います。
男性目線と女性目線のすれ違い
中学生、高校生のときぐらいでしたかね。
男子に「女子はいい匂いする」って言われました。
たぶん世間の男性は、女性はなんとなくいい匂いがするというイメージの方が多いんじゃないでしょうか。
女性向けの雑誌にも汗の臭い対策の特集ページが載ったりします。
男性に「女性はいい匂いがするものだ」という価値観があるんだと知ったら、やっぱり気にする女性もいると思います。
女性だって人間ですから汗もかくし体臭だってあります。
「いい匂い」じゃないと女性としてだらしないと思われるんじゃないかとか、男子は「いい匂い」って言うのに今は汗かいてるからひょっとしたら臭いと思われるんじゃないかとか、余計な心配をする人もいるんです。
私が大学生のときは、潔癖症ぎみで、かわいそうなくらい体臭を気にして、常に香水やマウススプレーを持ち歩いている人もいました。
女性向けの雑貨屋さんに行くとよくわかるんですが、商品のラインナップに多いのはバラとか甘いフローラル系の香りです。
香りのするキャンドルとか入浴剤とか、いろんな商品がありますけどだいたい甘い香りです。
バニラとかチョコとか、まんま食べ物の香りもあります。
でも男性からしたら、なれていない甘いだけの香りって気分が悪くなったりするのかもしれません。
過去の「いい匂いの方がいい」という体験が、臭いを必要以上に気にするようにさせているのかもしれませんが、女性目線で選ぶ「いい匂い」と男性目線の「いい匂い」がすれ違ってるから、「臭害」とまで言われているのかもしれません。
さいごに
私は働いている会社に男の人の方が多いということもあって、柔軟剤とか香水の香りがきつすぎる人にはあまり会ったことがありません。
1回だけ強烈に覚えているのは、住んでたマンションのエレベーターで一緒になった女の人です。
エレベーターという閉鎖空間の中で2人きりだったんですが、香水瓶を倒して浴びちゃったんじゃないかというくらい強烈な甘い香りで、普段は大丈夫なエレベーターの浮遊感でいっきに気持ち悪くなってしまったことがあります。
潔癖症で体臭を気にしすぎていた知り合いがいたので、香水の香りがきつくても「気合入ってんな~」ぐらいにしか思わない私ですが、エレベーターのお姉さんと離れた後に混んでる電車に乗って気分の悪さが悪化し、ベンチで休むはめになりました。
1回しか遭遇しませんでしたが、職場で毎日会う人は大変だなと思います。
自分のまとう香りが「臭害」といわれないように気をつけたいところです。
柔軟剤や制汗剤などの化学香料でくしゃみ・鼻水・頭痛・全身の倦怠感の症状が出て日常的に困っているという方は、化学物質過敏症の専門医に一度みてもらってみてください。