おつかれさまです。
いまの時代でも会社のお茶くみ担当のヤマヒナです。
こっちも仕事してるんだからお茶ぐらい自分でくめよと、給湯室で文句を垂れ流しています。
セクシャル・ハラスメントの被害を受けた方たちが、「 #MeToo 」のハッシュタグをつけ、自分の受けた被害を発信する運動が話題になっていまね。
それに対して、男性が女性を「口説く自由」を擁護する動きがあるようです。
「男性が女性を口説く自由」で「 #MeToo 」運動を批判
というタイトルのニュースをみてかなりびっくり。
いやいや、ちょっと待て。
「 #MeToo 」運動は、男性にされた性的なことで嫌だったことを、もう我慢しなくてもいいんだよと、その被害を発信する運動ですよね。
立場を利用して無理やり関係を迫ったりとか、お酒の席で体をさわったりとか。
まあ、人にもよるかもしれませんが、私はめちゃくちゃ嫌です。
だから、仲のいいメンバーの飲み会は行くけど、会社の飲み会は行かなくなりました。
今までは「大人の対応」で仕方ないって言い聞かせていたことを、やっと嫌だと感じているんだと言えるようになってきたんです。
それなのに、「男性が女性を口説く自由」を侵害しているとか言ってる人たちは何なんでしょうか。
女性100名の連名で発表したとのことですが、どうぞ好きな方は勝手にお酒の席で体さわらせてあげてください。
私は絶対に嫌ですけどね。
そもそも論点がずれてる
好きな人がいることは、素敵なことだと思います。
相手に気持ちを伝えることも、いいんじゃないでしょうか。
2人でご飯に行って、ちょっとてんぱりながらいろんな話をして、相手との距離を縮めるのもいいと思います。
帰り道でドキドキしながら手をつなぐとかたまりませんね。
さて、この初々しい状況がなぜ問題ないのか?
当然、お互いにそれなりの好意を抱いているからです。
一緒に食事をするのも、手をつなぐのも、好きだといわれるのも、好意を抱いている相手だから「 #MeToo 」のタグをつけて告発なんかされません。
じゃあ好意がない場合はどうでしょう。
みんなで飲んだ帰りに、どこかで飲みなおそうと仕事の上司から誘われました。
日ごろかお世話になっている上司だし、仕事の相談もしたい。
仕事のつもりでついていったら、なぜか腰に手を回されたり肩を抱かれたり。
上司の手が太ももをなでていても、相手は酔っぱらった上司だしはっきり「やめてください」とは言いづらい。
また明日、会社で顔を合わせることを考えたらおとなしくしておこう。
さて、この忌々しい状況がなぜ問題なのかわかりますか?
当然、お互いが好意を抱いていないからです。
ただの会社の上司に、仕事の延長として飲みについていっただけで性的な接触をされたら、嫌な人は非常に嫌でしょう。
二度とそんな人とは飲みいくことはありません。
今やったら「 #MeToo 」のタグをつけて告発されます。
「男性が女性を口説く自由」も、もちろんあると思います。
でも、嫌がってる相手を嫌といえない状況に追い込んで、好き勝手に性的なことをすることは、私は「口説いている」とは認めません。
好きな相手に「好き」と言えなくなるような不寛容な社会は嫌ですが、そもそも「 #MeToo 」運動の根底は、女性が「嫌だ」と言えない不寛容で女性蔑視の社会を変えようというというものです。
なので、ここでいきなり「男性が女性を口説く自由」の話を持ってくるのは、そもそも論点が違うと思います。
「男性が女性を口説く自由」を言ったのが女性という衝撃
さっきも言いましたが、好きな相手に好意を伝えようとすることを否定するつもりはありません。
「 #MeToo 」は性的な嫌がらせ(相手は冗談のつもりとか、嫌と思っていると思わなかったとか)を「嫌だと思っているんですよ」と社会に訴える運動です。
これに対して、男性にも口説く自由があるから「 #MeToo 」なんかダメよと言った女性たち。
この人たちは、きっとお尻をさわられたら「私って魅力的なのね」と思うし、性的に迫ってこない男性には魅力を感じない方々なのかもしれません。
私の周りの女性にはあまりいない価値観の人たちです。
きっとこの人たちが身近にいた場合、男性からの性的な冗談が嫌なんですと相談しても、きっと理解してもらえないし状況も改善しないんだと思います。
世の中すべての人が自分の同じ感じ方をするわけではないとわかっていますが、「こっちは好意があるからしているんだ、嫌がらせなんかじゃない」なんて思って勘違いする人が増えないことを願っています。
さいごに
私は「 #MeToo 」のタグでツイートはしていません。
でも、このタグで流れている内容は見ていて悲しくなります。
飲み会で無理やり男性の隣に座らされて体を触られたのに誰も助けてくれない。
本当にその通りでした。
「やめてください!」と強く言えば、酒の席のことで本気で怒るなんてなっていないと私が非難され、「やめてくださいよ~もぉ」とやわらかい言い方をしたら、相手のおじさん(同じ会社の社員)は嬉しそうにするだけでした。
思い出しても心の底から気持ち悪いですね。
なぜあんな気持ち悪い存在がこの世の中に生息しているのか不思議ですが、就職した会社には意外とそんな人が多くいらっしゃって、そんな風潮の世の中に自分だけが抵抗するのは無駄だと悟り、会社の飲み会(おじさんがや上司が参加する飲み会)には参加しないようになりました。
社内の50代の既婚男性に体をさわられて、「私って魅力的なのね」って思える前向きな思考は、私は持ち合わせていません。
「男性が女性を口説く自由」も大いに結構ですが、嫌がってる相手にしつこくしても嫌われるだけです。
「嫌だ」と言える世の中になってほしいし、「嫌だ」という意思表示をしっかり受け止める世の中になってほしいです。