おつかれさまです。
動物好きなヤマヒナです。
猫を多頭飼育して世話しきれず、住宅の床が腐ってしまったり、行政が指導に入ったり。
そんな話がテレビやネットで話題になるたびに、私の家族の中で話題に出されることがありました。
身近なところで本当にあった多頭飼育
実は私の親戚に、1人、熱烈な愛猫家がいます。
野良猫には餌をやり、子猫は家に連れて帰り、多い時で30匹を超える猫(本人は20匹くらいしか飼っていないと言い張っていた)を飼っていました。
最初は1匹だけだったのですが、気が付けば3匹、5匹、12匹……と順調に数を増やしていっていました。
子猫を見つけては拾ってくるので、とうとう同居のご家族と対立してしまいましたが、「私が面倒を見ているんだから口を出さないで」と喧嘩になったそうです。
面倒を見ているとは言っても、ご両親の家に住んでいて、その家に30匹を超える猫が外と家の中を出たり入ったりするものですからご家族も思い悩んでいて、その話が親族である私の家族のところにも来ました。
野良猫や野良の子猫を拾ってくるのですが、避妊や去勢はせず、病院にも連れて行かず、自由に出入りさせているということで、その家の室内は猫の足跡だらけで、食事をするダイニングに猫のエサ入れを置いているのでテーブルの上を猫が歩き回ったり、猫の数が多い時は家の中に排泄物と獣臭が充満していて、家中どこも猫だらけな上に餌付いた野良猫が家に侵入してきたり家の周りを徘徊していたりとあまりにもひどいありさまで、相談されて様子を見に行った私の父が「市役所に相談した方がいいかもしれない」と言って親族会議が開かれました。
「かわいそうだから」が最大の理由だった
多頭飼育をしている人は、1度は独立しましたが歳をとったご両親の面倒を見るために実家に戻った、まじめで優しい性格で面倒見の良い方です。
最初は1匹飼っていただけだった猫が、30匹を超えるようになった最大の原因は「かわいそう」と思ったことだったようです。
猫を拾い始めた最初のころは、野良の子猫を拾っていました。
鳴き声が聞こえてかわいそうになった。
しばらく様子を気にしていたが親猫が来る気配がないから連れてきた。
そうして拾われた子猫が大人になり、外を自由に歩き回って気が付いたら妊娠していた。
ここから、猫の飼育数が一気に増えました。
妊娠してお腹にいる子猫をおろすなんてかわいそう。
猫の出入りを制限するなんてかわいそう。
また子猫が鳴いてる、かわいそう。
餌付いて仲良くなった野良猫を追い出すのはかわいそう。
この繰り返しで、家の周りも家の中も猫だらけになってしまいました。
そして崩壊……
猫だらけの環境で、病気を持った猫がいたようです。
次々と猫が体調をくずし亡くなっていく中で、ようやくこの環境ではいけないとご本人さんが気づいたようでした。
そして残った15匹の猫をやっと病院に連れて行き、避妊手術をうけさせ、野良猫が寄り付かないように、外に餌を置くのをやめました。
ご家族もそれを見て安心したようで、それからは猫の数は増えていません。
対策は難しい
多頭飼育を辞めさせるのは、周りから言っても聞く耳を持たないので難しいと思います。
私のこの多頭飼いの親戚も、同居のご家族と喧嘩になっただけで、猫を拾ってくることをやめませんでした。
世話をしきれない数の猫を飼うことの方がかわいそうだと本人が気づくまで、根気よく説得するしか方法はありません。
どんなに匂いがひどくても、どんなに不衛生でも、本人が「きちんと世話をしている」という認識を変えないことには、環境も改善しません。
私の親戚は、幸いテレビで話題になるほど飼育数は多くありませんでしたが、病気が無くすべての猫が順調に大きくなって子供を産んでいっていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。
さいごに
今現在は、事故や病気でさらに猫の数も減って、飼っている猫は4匹になっています。
野良猫から病気をもらったのがショックだったようで、今の猫が生きている間は、他の野良猫は拾ってこないと言っています。
ときどき野良の子猫に餌をやっているのですが、家には入れていないので飼い猫としては数えていないようです。
また病気の猫の世話が大変だったようで、今ぐらいの数じゃないと体力が持たないと言うようになったので、たぶんその人はもう大丈夫だと思います。
以上、身近なところで本当にあった多頭飼育崩壊でした。